集まれ!星たち〜ひとつひとつは微かでも〜

あつぼし見上げて夜話

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第34夜「黄道光(こうどうこう)ってご存じですか?」(2012年2月17日号)



 宵の西空に金星と木星がよく見えています。下方に光る金星は、美の女神ビーナスの名の通り、マイナス4.1等でぎらぎらと輝いています。もちろん一番星で、日没間際から見えています。二番星がその真上にマイナス2.2等に輝く木星です。

 19時頃、2つの惑星のさらに上方には、有名な青白い星々の団体さん「すばる(プレアデス星団)」、そのさらに上には、1等星アルデバランが橙色の光を放っています。金星・木星、そしてすばるとアルデバランの中間点を結ぶと、やや不正確ですが、一本の直線が描けます。

 それは天文学者が黄道(こうどう)と呼んでいる線です。天文学的には太陽の通り道を意味するものですが、もちろん太陽が移動するわけではなく、地球が太陽の周りを回るために、太陽が星空を1年かけて移動するように見えるわけです。つまり地球の公転軌道です。

 黄道という名前は、昔の中国の天文学者たちが渾天儀(こんてんぎ/アーミラリー)と呼ばれる用具の一部を色分けし、太陽の通り道を黄色く、月の通り道を白く、そして北極や南極から90度の所を赤く塗った事によります。これが黄道・白道・赤道の由来です。

 ところで、実際の星空で黄道部分をよく見ると、白っぽくぼやっとした帯が見えることがあります。それが黄道光です。毎年2月の今頃、月がないときなら夕方真西から地平線より70度ほど傾いて、頭上近くまで三角錐型にみえます。空が明るい所では見えません。

 あたかもピラミッドように見えることから、ピラミッドはそれを真似たものだという説もあるほどです。また仏教の西方浄土、つまり西方にある極楽世界の象徴だという伝説もあります。太陽を中心として東と西に平べったく散らばった塵が、太陽に照らされて見えているという説が有力です。

 すぐ右隣の北西方向に、地平線から天の川が直立しており、やや暗い黄道光と見間違えがちですので、要注意です。

※2月の星空のようすは、「国立天文台ほしぞら情報」をご覧ください。


プロフィール:金井三男(かないみつお)さん

 もと天文博物館五島プラネタリウム解説員。40年近くプラネタリウムの仕事を通して、天文教育・普及に努める。変光星観測家としても知られる(食変光星アルゴル極小肉眼測定回数通算380で世界記録を更新中)。その平易な語り口と、膨大な資料渉猟に基づく天文知識の豊富さで、各種メディア・講演会などで活躍中。

 「私は学者ではありませんが、科学の普及を旨とする星の解説員として、こういうときこそ、被災者の皆様をはじめ、できるだけ多く方々に、星を見ること・調べることの楽しさをお伝えし、皆様の目が少しでも夜空に向くならば、と思ってこのキャンペーンへの参加を希望いたしました。どうぞよろしくお願いいたします」。