集まれ!星たち〜ひとつひとつは微かでも〜

あつぼし見上げて夜話

目次

第180夜「いよいよ冬ですね」(2014年12月5日号)



 7日は大雪です。と申し上げても、これは二十四節気の大雪(たいせつ)の話。私が住む関東地方では、雪はまだですね。でも、二週間とちょっと先に迫った冬至は、立冬(先月7日)と立春の前日(2月3日)のちょうど真ん中の日で、“冬”の真最中になるので、日本ではもうすでに冬が始まっているわけです。

 そのため、冬の星座のオリオン座は宵空の西南西に良く見えています。もうすぐ爆発すると見られている、オリオン座の一等星ベテルギウスはちゃんと輝いていますか? どうぞそれを、ご自分の目で確かめて、お休みください。

 さて、ベテルギウスと同じように赤い星の代表である火星が、同じく宵空低くにいます。またそのやや左上に位置するみずがめ座には、海王星がいます。と申し上げていても、海王星は8等級の明るさですから、肉眼で見ることはとてもとても無理な話。望遠鏡でないとダメですが、実は最近とても話題になっていることが、この火星と海王星とその衛星トリトンで認められます。その他にも、木星やかつての惑星仲間の冥王星(現在は準惑星)でも認められています。

 みなさんは、二酸化炭素による地球温暖化をお信じになりますか? 近年話題になっている地球温暖化の傾向は、なんとこれらの惑星や衛星でも認められているのです。特に海王星の明るさと地球の平均気温と太陽活動の間には、強い相関が認められるだけでなく、海王星における変化には約17年の遅れが認められ、それが太陽風が海王星に届くまでの時間と一致しているのです。ここが重要なところで、太陽風が地球に到達するまでは約三日ですから、太陽風の地球への影響は時間差無しと見て良いことになります。

 太陽風は太陽系外からやってくる宇宙線を遮り、それによって雲が造られにくくなり、太陽光の雲による反射量が少なくなって、その分地球が温かくなるという説が有力ですから、この現象は二酸化炭素の人工的増加による地球温暖化説の有力な反証となります。海王星及びその衛星トリトンの明るさの長期変動を見るというだけで、少なくとも二酸化炭素増加のみが地球温暖化の原因ではないことが判るのです。面白いですね!

※12月の星空のようすは、「国立天文台ほしぞら情報」をご覧ください。


プロフィール:金井三男(かないみつお)さん

 もと天文博物館五島プラネタリウム解説員。40年近くプラネタリウムの仕事を通して、天文教育・普及に努める。変光星観測家としても知られる(食変光星アルゴル極小肉眼測定回数通算380で世界記録を更新中)。その平易な語り口と、膨大な資料渉猟に基づく天文知識の豊富さで、各種メディア・講演会などで活躍中。

 「私は学者ではありませんが、科学の普及を旨とする星の解説員として、こういうときこそ、被災者の皆様をはじめ、できるだけ多く方々に、星を見ること・調べることの楽しさをお伝えし、皆様の目が少しでも夜空に向くならば、と思ってこのキャンペーンへの参加を希望いたしました。どうぞよろしくお願いいたします」。