集まれ!星たち〜ひとつひとつは微かでも〜

あつぼし見上げて夜話

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第57夜「8月は日本で2回満月があります」(2012年7月27日号)



 私の知り合いが主催している天文家の集まりに「満月会」という名前のサークルがあります。言ってみれば単なる飲み会なのですが・・・。ただ一つの約束事が、必ず満月の日に実施するというものです。

 満月の日は月明かりが邪魔し、仕事(天体観測)にならないからです。それよりは、情報交換と称し、実際は飲み明かし、楽しく過ごすのにうってつけだからです。通常は、月一回で済みますが、8月はどうするのでしょうか。満月が2日と31日の2回あるからです。

 反対に2月は時々満月が1回もないことがあります。そういうときは1月か3月、多くはその両方の月に満月が2回あることがあります。ただし2月に満月が2回あることは、絶対にありません。私が調査した西暦2001~2400年間でも1回もありません。

 なぜかというと、満月から次の満月までの期間(朔望周期という)は、平均で29.53・・・日(若干変動します)で、絶対に29日以下になることがないからです。逆に31日ある月は、その可能性が多くなります。30日の月はたまにと言うことになり、2001~2400年までの日本で見える“満月2回月”の総計は165回、内訳は1月21、2月0、3月18、4月5、5月21、6月9、7月20、8月22、9月7、10月19、11月7、12月16となります。

 今年の8月2日と31日のように月に2回ある満月を俗にブルームーン(滅多に起こらないこと)と呼びます。ただし昔からそう呼ばれていたわけではなく、今から60年ほど前にアメリカで誤用されたのが始まりだそうです。4800か月に165回、すなわち平均28か月半ごとに起こるというのを「滅多に」といえるかどうか、みなさんどう思われますか?

 ただし書きがあり、日本でとお断りしたのは、アメリカなどは今年8月1日と31日、ニュージーランドでは8月2日に満月になった後、次は9月1日と30日になります。星の話は、本当にグローバルですね。

※7月の星空のようすは、「国立天文台ほしぞら情報」をご覧ください。


プロフィール:金井三男(かないみつお)さん

 もと天文博物館五島プラネタリウム解説員。40年近くプラネタリウムの仕事を通して、天文教育・普及に努める。変光星観測家としても知られる(食変光星アルゴル極小肉眼測定回数通算380で世界記録を更新中)。その平易な語り口と、膨大な資料渉猟に基づく天文知識の豊富さで、各種メディア・講演会などで活躍中。

 「私は学者ではありませんが、科学の普及を旨とする星の解説員として、こういうときこそ、被災者の皆様をはじめ、できるだけ多く方々に、星を見ること・調べることの楽しさをお伝えし、皆様の目が少しでも夜空に向くならば、と思ってこのキャンペーンへの参加を希望いたしました。どうぞよろしくお願いいたします」。