第13夜「秋分の日」(2011年9月23日号)
23日は秋分の日です。ここ30年ほど(1980年から)は、23日が秋分の日でしたが、来年の秋分の日は22日となります。今回は、秋分の日にちなんだ暦の話題です。
日本では、祝日に関しての法律があります。毎年2月の官報で、国立天文台が翌年の暦を発表することになっており、それによらないと、正式なカレンダーとなりません。ですから、これからお話することは、あくまで私の簡略な計算上のお話です。
さて、来年の秋分の日は22日になりますが、それ以降はどうなるのかというと、2013年以降は23日に戻り、4年ごとに9月22日が秋分の日となるサイクルが続きます。つまり、2013年、14年、15年は23日が秋分になり、2016年は12年と同じく22日が秋分となります。ところが、2044年からはまた事情が変わって、2年続けて22日が、その後2年続けて23日が秋分の日になります。それも2075年までで、76年からは22日が3年続くと、1年だけ23日が秋分の日というサイクルが2100年まで続きます。その後、2101年と02年は23日が秋分の日になり、2103年は、24日が秋分の日となる珍しい年になります。そして、2104年から2135年まではずっと23日になるはずです。
同様に春分の日もある期間ごとに変動し、昔は3月22日になったこともあり、2092年と96年には3月19日になるはずです。
なぜこんなことになるのでしょうか。太陽が秋分点・春分点を通過する日が秋分の日や春分の日となるわけですが、地球が太陽の周りを公転するのが365日でも366日でもなく、365.24218969・・・日という半端な日数なので、年によってズレが出るというわけです。ズレを修正するために、4年ごとに閏年を挿入し、さらに2100年、2200年、2300年は閏年としないなどの細かい日数調整(2000年と2400年は閏年です)をしても、なお半端です。さらに地球の自転周期の変動による閏秒の挿入も関係します。
ということで、秋分の日や春分の日をはじめとした暦の決定に関しては、天文学者が精密に計算し、責任もって決めているのです。
※9月の星空のようすは、「国立天文台ほしぞら情報」をご覧ください。
プロフィール:金井三男(かないみつお)さん
もと天文博物館五島プラネタリウム解説員。40年近くプラネタリウムの仕事を通して、天文教育・普及に努める。変光星観測家としても知られる(食変光星アルゴル極小肉眼測定回数通算380で世界記録を更新中)。その平易な語り口と、膨大な資料渉猟に基づく天文知識の豊富さで、各種メディア・講演会などで活躍中。
「私は学者ではありませんが、科学の普及を旨とする星の解説員として、こういうときこそ、被災者の皆様をはじめ、できるだけ多く方々に、星を見ること・調べることの楽しさをお伝えし、皆様の目が少しでも夜空に向くならば、と思ってこのキャンペーンへの参加を希望いたしました。どうぞよろしくお願いいたします」。