集まれ!星たち〜ひとつひとつは微かでも〜

あつぼし見上げて夜話

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第77夜「カストルとポルックス」(2012年12月14日号)



 14日明け方は、毎年ふたご座流星群の流れ星がたくさん飛びます。今年は、特に月明かりが無く(新月ですから)絶好のチャンスです。というより、でした、ですね。ピークは今日14日未明でしたから。

 今後は日ごとに流星数が少なくなりますが、22日夜には、こぐま座流星群という北の空を舞台とした流星群が活躍しますので、楽しみにしてください。22日は上弦過ぎの月が夜半過ぎまでありますが、南天のうお座にいるので、90度近く離れた場所から飛ぶこぐま群への影響は、おそらく少ないでしょう。

 さて、ふたご座流星群に話を戻します。ふたご群の放射点は、ふたご座の2等星カストルのわずか約1度西にあります。よって、ふたご群の流星は、ほとんど、カストルの方向から飛んでくると感じられるくらいです。

 ふたご座は、カストル・ポルックスの兄弟神話で知られていますが、なぜ2等星のカストルがお兄さんで、1等星のポルックスが弟なのでしょうか。明るさが0.4等も違えば、どっちが明るいかを間違えるはずはないことを、明るさを測ってすでに半世紀近く変光星を観測している筆者には断言できます。

 とすれば、単純に明るさで兄弟の順番を決めたのではないのかもしれない(でもそれならどんな理由で?)、あるいは、昔はカストルがもっと明るかったかもしくはポルックスがもっと暗かったかして、明るさが逆転していたのかも、といった推理もできそうです。

 もちろん、カストルとポルックスは神話上では兄弟ですが、天文学的には無関係です。地球からポルックスまで34光年の距離があります。ポルックスは巨星の中で最も近い星です。それに対してカストルは、ポルックスから18光年も離れています。もしそれが本当に物理的関係を持つ兄弟だったら、我が太陽だって関係を持つて、その兄弟の一員になるのかもしれませんよ。

※12月の星空のようすは、「国立天文台ほしぞら情報」をご覧ください。


プロフィール:金井三男(かないみつお)さん

 もと天文博物館五島プラネタリウム解説員。40年近くプラネタリウムの仕事を通して、天文教育・普及に努める。変光星観測家としても知られる(食変光星アルゴル極小肉眼測定回数通算380で世界記録を更新中)。その平易な語り口と、膨大な資料渉猟に基づく天文知識の豊富さで、各種メディア・講演会などで活躍中。

 「私は学者ではありませんが、科学の普及を旨とする星の解説員として、こういうときこそ、被災者の皆様をはじめ、できるだけ多く方々に、星を見ること・調べることの楽しさをお伝えし、皆様の目が少しでも夜空に向くならば、と思ってこのキャンペーンへの参加を希望いたしました。どうぞよろしくお願いいたします」。